kazuさんのGクラス の試乗レポート・評価

投稿日: 2014年09月07日

  • メルセデス・ベンツ
    Gクラス
    1990年01月 発売
       

このクルマを一言で表すと?

  • kazu

  • 現代に残る古き良きメルセデス

このクルマの評価

  • 総合評価

    4.0
  • 外観デザイン

    5.0

    インテリア

    3.8

    走りやすさ

    3.3

Gクラスについてのオススメポイント

  • 試乗したのは、G550。
    Gクラスは35年前にゲレンデヴァーゲンの名で発売されて以来、
    基本スタイルは何も変わってないという脅威の長寿モデルである。
    さすがに古臭い部分はあるものの、現代の車にはない魅力が満載で、
    世界を代表する名車のひとつと呼べる素晴らしい車だ。

    実際、この車の存在感はとてつもない。
    もう「別格!!」の一言。
    過剰品質の塊。まったく現代にふさわしくない車である(笑)

    外観
    堅牢なラダーフレームに、頑丈なボディを乗せて、
    精度の高い部材で緻密に組み立てたエンジンおよび各種メカを搭載し、
    18インチの太く大きなタイヤと強靭な足で大地を踏みしめる。
    その堂々とした姿は軍用車そのもので、
    「爆弾踏んでも全然大丈夫なんじゃないか?」と思わせるほど強そう。
    実際、Gクラスは軍用車両を民間ベースにアレンジした車なので、
    そういったオーラを纏っているのもわかる気がする。

    全長は4530mmだから決して大きいわけじゃないのだが、
    車幅が1860mm、高さにいたっては2000mm近くもあることと、
    質感から来るオーラに圧倒されるのもあって、実寸よりかなり大きく感じる。
    それだけ存在感があるということだろう。
    その全体から感じる硬さ、強さ、頑丈さがハンパない!
    こんなに硬くて強そうな乗用車は他にないんじゃなかろうか?
    Gクラスよりはるかに図体の大きいハマーやメガクルーザーと比べても遜色ないどころか、
    塊感はGクラスの方が上なくらいだ。

    ボディはどの面も直線基調で、鉄板を使って箱のように組み立てられている。
    ボンネットも側面もフロントもリアも、潔いほどに平面。
    こんなデザイン性を何も盛り込んでなさそうなボディにもかかわらず、
    なぜか高級感やただ者ではない雰囲気を感じるのだから不思議である。

    思うに、これは素材によるところが大きいように思う。
    Gクラスのボディは普通の車よりも鉄板が分厚い。
    ボディの材質そのものから重厚さが溢れているのだろう。
    ちょっと足で蹴ったらあっさり凹んでしまいそうなペラペラボディの車が多い中、
    Gクラスは、蹴ったら逆に足が折れそうなくらい強固に見える。
    例えば、メタル色のプラスチックパーツと実際の金属とでは、
    見た目は同じでもそこから感じる質感、重厚感がまるで違う。
    それと同じで、Gクラスはすべてにおいて素材から発する力が桁違いに大きい。


    室内
    運転席に乗り込み、古き良き時代のベンツと同様の、薄くて頑丈なドアを閉める。
    このドアを閉めた時の感覚がもう、たまらなく好きだ!
    強めに閉めないと半ドアになるので、思いっきり閉めなければならない。
    ガシャーンという硬質な音とともに、薄くて重い鉄の板がボディと隙間なく密着する。
    ボディは少しもたわんだりせず、すべての力をズドンと完璧に受け止める。
    そして、まるで金庫の中に閉じ込められたかのように一瞬で外の世界から隔絶される。
    閉めた直後は「シーン」という音が聴こえてきそうなほどだ。

    この感覚なんですよね!
    今やこれを味わえる車はこのGクラスしかなくなりました。
    この感覚が好きすぎて、私は無駄に何十回もドアを開け閉めしてしまいます(笑)。

    ラダーフレームゆえに、運転席は結構高いところにある。
    しかもトラックのようにアップライトな姿勢で運転するので目線は相当高い。
    運転席、助手席がずいぶんと窓際にあることに違和感を感じるが、
    これもまた昔から変わらないGクラスの味なのだろう。
    内装の造形はいたってシンプル。いかにも昔っぽく平面的で無駄がない。
    そして、パーツとパーツが緻密に組まれたからこそ生まれるイイモノ感がひしひしと感じられる。

    フロントもサイドも平面ガラスで立ち気味だから、室内空間はわかりやすい四角だ。
    デザイン的要素はほとんどない。
    にもかかわらず、運転席に座っていると不思議と落ち着く。
    設計は古くてもシンプルで理路整然としていて心地良いのだ。

    35年間基本設計は変わらないとは言っても、まったく変わらないわけではない。
    ちゃんと時代とともにいろんな装備を盛り込んでアップデートしており、
    年を重ねるごとに現代的にはなっている。

    本皮や濃い茶色のウォールナットであしらわれた装飾も、かつてのベンツワールド満載で私にはたまらない。
    手に取るもの、目に入るものすべてがキリッとして潔く、存在の正しさを誇示しているように思える。
    室内においても素材から感じる質感の高さは相変わらずで、見ているだけで幸せな気分になる。
    まるで歴史と品格を持った屋敷の応接間にいるようだ。



    走り
    5500ccV型8気筒のエンジンは、387ps、54㎏mと怒涛のパワーを発揮し、
    2.5トンもある超重量級ボディを軽々と動かす。
    これだけ力があれば、どんなシチュエーションでもパワー不足だとはまったく思わないだろう。
    昔のGクラスは3.2リッターだったことを考えると、必要十分どころか今はエンジンまでもが過剰といえる。
    この図体で時速200キロ以上でも余裕で駆け抜けるんだから凄い。
    体重100キロ超えのラガーマンが、100mを10秒台で走るようなものだ。

    回転半径は6mと大きいけれど、全長自体が短いことと、四角いボディで見切りがいいこともあって、
    取り回しは悪くない。
    走り出すとGクラスは、オフローダー的イメージに反して、静かでスムーズに加速していく。
    トルクフルなエンジンが巨体をぐんぐんと押し出すように力強く前に進んでいく様子は頼もしい。
    そしてATがショックをともないつつ瞬間変速する様子や、
    お尻の下で精度の高いフルタイム四駆機構がメカメカしく動いている様子が何とも心地良い。
    ライカのカメラを手にシャッターを押しているかのような、極めて工作精度の高いイイモノを味わっている時の感覚。
    なんという過剰品質だろうか。。
    ただ、普通に加速しているその瞬間にさえそれが感じられる。

    乗り心地は低速だと結構固い。この重量とパワーを受け止めるためにはこれくらいの固さが必要なのだろう。
    でもすごいのは、ガツンとしたショックが来てもフレームもボディもびくともしないことだ。
    ちなみにこの固さは、高速になって入力が大きいステージに入るとちょうど良くなってくる。

    味わい深いサーキュレーティングボール式ステアリングも私は結構好きだ。
    現在主流のラック&ピニオンだと味わえないじわじわっとした感じや、安っぽいキックバックがなく、
    いい意味でダルな味が昔っぽくていい。

Gクラスについての不満な点

  • 残念なことに、Gクラスはもはや今の車作りの基準からすれば時代遅れで、現代の車にかなわない点がたくさんある。
    こんな重いボディも、それを上回ろうとする大排気量のエンジンパワーも時代の流れにそぐわない。
    この車で野山を駆け抜ける人などいないだろうし、各種セッティングや豪華な仕立てをみても、
    そういう使い方を想定しているとは思えない。
    本来のオフロードの性能を磨いているわけでもなく、オンロードではもっと優れた車たちがたくさんいるわけで。
    つまり、Gクラスは実用性ありきで存在している車ではないと言える。

    じゃあこの車はなんのためにあるのか?といえば、
    端的に言って「お金持ちの道楽のため」なのかもしれない。
    軍用車両から生まれた過剰品質の車を、その歴史やお金の掛け具合を味わいながら楽しむ車。
    1500万近いお金を出して、「味」を楽しむ。
    そういう楽しみが出来る人向けの贅沢な車なのだろう。

Gクラスを運転した後の感想

  • 乗る前と乗った後、クルマのイメージは同じでしたか?
  • 理由:
    昔は憧れの車で、「いつかは欲しい!」と強く思っていたものだが、
    いざ「所有する」ことを考えると、
    この頑丈さや重量、パワーを完全に持て余してしまう。
    「すごーい!!」と感動しているうちは楽しいが、実用には向かない
    というか、私には手に負えない(笑)。
    身の丈に合った車を選ばないとダメだなあと改めて思った。
  • 運転後の感想について
  • この車にしか味わえないものを端的に言えば、
    「素材から受ける過剰品質さ」じゃないだろうか。
    「普通の車はダンボール箱、Gクラスは金庫」
    ってなくらいに頑丈さも質感も桁違いなのだ。

    もちろんここまでの過剰品質は、実際はまったく必要ない。
    でも、この実際には使わないけど存在する品質の高さ、過剰なまでの機能性が、
    人々に安心や優越感、満足感を与える。
    使う使わないは関係ない。そのポテンシャルを備えているということに意味があるわけだ。

    他の車にはないスペシャルな機能を保有しているという、そのポテンシャルの高さはカッコイイ。
    能ある鷹は爪を隠すじゃないけれど、こういうところに魅力を感じる心理は、
    特にこだわりのある男性にはよくわかるのではないだろうか。

    Gクラスは、公正に評価したとしても、残念ながら時代遅れの車である。
    今はもう過剰品質を商品力として売る時代じゃない。
    しかし、だからこそこの車は価値がある。
    こういう時代にあって35年も基本を変えずに生き残っていることがそれを物語っている。
    この車は現代の車がすべて同じ方向へ向かっている中で、忘れ去られたものを思い出させてくれる。
    素材がもたらす安心感であったり、精神的満足であったり、良いモノとは何なのか?という昔からの価値観であったり。。

    人間は木造の部屋にいるか、コンクリートの部屋にいるか、目を瞑っていてもわかるという。
    その素材が発する質感、重量感、温かみ、そういったものを、人間は無意識のうちに肌で感じとっているのだろう。
    それと同じで、一度乗ってみれば、誰もがわかるはず。
    Gクラスから発せられる質感、イイモノ感は、Gクラスの素材そのものから発せられている。
    一切の妥協をせず、十分なお金をかけ、過剰なまでの品質で車を作ったらこうなった。
    「最善か無か」の思想で作った、唯一現代に残る古き良きメルセデスである。

    走りがどうこう、快適機能がどうこうとか、そんな細かいことはどうでもいい。
    他の車では絶対味わえない世界がこの車にはあって、
    Gクラスはただ存在しているだけで、それを十分な説得力を持って我々に示してくれます。

Gクラス関連ページ

  • メルセデス・ベンツ
    Gクラス
    1990年01月 発売
       

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この試乗レポート筆者のプロフィール

    • kazu さん

      検定ベストスコア: 70 点

      ランキング: 6位

  • オークション業を営んでいた経験のある40代男性です。 小さい頃から車が大好きで、自身も今まで30台ほど車を乗り継いできました。好きな車は、国籍、ジャンル問わず、「思想のある車」です。作り手の意志、意気込み、プライド、こだわり、文化、そういったものを感じる車は、どんな車でも魅力があります。単に数値的なものや装備などカタログを見ればわかる表層的なことではなく、物理的運動体としての車の良し悪し、さらには文化的な側面も交えて車を評価してみたいと思います。 机上の知識やわずかな試乗だけではわからないこと、身に付きにくい感覚がたくさんあります。今までたくさんの車を経験することで培ってきた自分の感覚、価値基準をもとに、1人でも多くの方の参考になる記事を提供出来たらなと思っています。よろしくお願いいたします。

    投稿者情報

     都道府県:千葉県
     年齢:40代
     性別:男性
     職業:事務系
     家族構成 : 独身

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