kazuさんのボクスター の試乗レポート・評価

投稿日: 2014年08月26日

  • ポルシェ
    ボクスター
    2012年06月 発売
     

このクルマを一言で表すと?

  • kazu

  • 完成度の高いオープン2シーター

このクルマの評価

  • 総合評価

    3.9
  • 外観デザイン

    4.2

    インテリア

    3.9

    走りやすさ

    4.0

ボクスターについてのオススメポイント

  • 先日、ポルシェボクスターに丸一日試乗して鴨川までドライブをしてきました。

    今回試乗したのは、3代目ボクスター。 

    2.7リッターの「ボクスター」、7速AT(PDK)です。
    ボクスターのエントリーモデルです。 
    と言っても素で600万円以上しますが・・(笑)
    ちなみに、この上に「ボクスターS」という3.4リッターのがあります。

    エンジンはポルシェならではの水平対向6気筒DOHCエンジン。 
    最高出力265ps、最大トルクは28.6kg/mを発生します。 

    ポルシェという車はざっくり言えば、 
    『ドイツ人が作る真面目なスポーツカー』って感じ。 
    ドイツ車らしく、理詰めで作られた車です。 


    国産車のように開発コスト最重視で作られた車とは根本思想が違うので、 
    一般的にドイツ車は質感が高く感じることが多いです。 
    それは、ドアを開け閉めしただけで、 
    頑丈で曖昧さがない操作系に手を触れただけで感じられます。 

    厚みがさほどないのにガツンと金庫のふたのように閉まる頑強なドア。 
    クッションが固めで、しかし見事に体にフィットする素晴らしいシート。 
    運転席に腰かけてあちこち手に触れてみる。 
    室内にある、ありとあらゆるすべての操作系がかっちりしていて固い。 
    アクセルもブレーキも国産に比べれば踏力が必要だし、ハンドルを回すにも力が要る。 

    感覚的にも、「ああ頑丈に出来てるなあ」と感じる。 
    硬質な感じが高級感を演出するのにも役立っていて、
    そこかしこから「イイモノ感」が漂ってきます。 

    質実剛健で合理的で安全に対して高い関心があり、 
    自動車を工業製品としてとらえ真面目に作るドイツ人。 
    そんなドイツ人がスポーツカーを作るとこういうスポーツカーになるんだろうな~ 
    っていうスポーツカー。それがポルシェです。 


    良くも悪くも 
    ポルシェという車はいかにもドイツ車チック。 
    その点では最も完成度の高いスポーツカーとも言えるし、 
    スポーツカーらしさの一部をスポイルされたスポーツカーとも言えます。 

    ・・まあこのへんの議論は後ほど。 


    『ボクスター』は、ミッドシップレイアウトのオープンカー。 
    ポルシェと言えば911のようにRRレイアウトが有名ですが、 
    ボクスターの場合はミッドシップレイアウト。 
    車を横から眺めた場合、 後輪より手前、運転席の真後ろ部分
    ちょうど普通乗用車の後部座席あたりにエンジンがあります。 

    ちなみに、荷物入れは車の一番後ろと一番前に申し訳程度にあります。
    容量はそれぞれ150リッターくらい。
    私は自分の荷物をフロントの方に入れてたのですが、
    ボンネットを開けて荷物を出し入れするってすごく変な感じでした(笑) 

    ミッドシップの最大の強みは、
    『回頭性の良さ』 
    これに尽きます。 

    一番重いエンジンが車の中央にあることで、前後重量バランスが良く走りは安定する。
    重心がボディの真ん中にあるからコーナリングの際、きれいに回ってくれる。 
    感覚的にはまるでコマのように自分を中心にコーナリングしてくれます。 

    このミッドシップ車のコーナリング感覚は、フロントエンジンの車とは相当違うので、 
    最初は少し違和感を感じるかもしれません。 

    フロントの軽さのおかげでハンドルを曲げるとクイックに向きを変え、
    その後、4輪すべてに同じだけトラクションがかかってるかのような綺麗な回り方でコーナーを抜けていく。
    結構なスピードでコーナーに侵入してもあっさりクリアしていきます。 
    (ただし、限界を超えた瞬間吹っ飛ぶ) 

    特にボクスターの場合は車そのものの剛性がやたら高いので、 
    こういった場面でミッドシップの良さを十分に体感できます。 

    さらにポルシェお得意の水平対向エンジンは、平べったい形をしたエンジンなので、 
    低い位置にマウントでき、重心位置を下げるのに適しています。 
    ボクスターのエンジンも結構低い位置にマウントしてありまして。。 
    エンジン見ようと思ったんだけど、エンジンが見えないんです(笑) 

    普通の車はボンネットなどエンジンルームの上にふたがあって、それを開けることでエンジンを見ることができるのですが、 
    ボクスターにはなんとふたがありません。 
    エンジンを見るときは、最後部にある小さなトランクの内張りをひっぺ剥がします(笑) 

    全体の大きさはそこまで大きくないかな。 
    でも車幅がそれなりにあります。ホイールベースは3代目になり60mmほど伸ばされました。
    スポーツカーらしく車高が低く、流線型なボディラインは美しいです。 
    そしてポルシェは他のスポーツカーよりも塊感がある。
    無駄がないと言いますか、ゴテゴテとデコレートして見た目をスポーツカーチックにした車ではなく、
    無駄をそぎ落として、理詰めで作った結果、機能美的なカッコよさを身に纏ったという、そんな雰囲気の車。

    屋根は電動で開閉します。完全自動でおよそ10秒。
    速度制限はあるものの、走行中も開閉できます。 
    オープン時は屋根は運転席、助手席の後ろのスペース(エンジンのある場所の真上あたり)に収納されるようになっています。 

    エンジンの吹けもサウンドも気持ちよく、『あーこれがポルシェのエンジンなのかあ』と感慨深く思いました。 
    フラット6の独特のサウンドが背中から聴こえてくる。
    綺麗なエンジン音を聴きながら、風を浴びて優雅に走る。。
    なんて贅沢なんだろう。。
    トルクの特性もいたってフラット。 
    変な山があるわけじゃないので、どの速度域からでも気持ちよく加速してくれます。 

    安定感もこの手の車の中ではかなり高いです。高速でのフラットな走りはとても気持ちがいい。 
    もちろんミッドシップですから、超高速域での直進安定性とかは、どうもフロントが軽く感じて
    超絶安定ってわけではないんだけど、でもさすがドイツが作るオープン2シーターですよ。
    実際は1300キロほどの軽量化されたボディなのに、重厚感があってどっしり安定してます。
    結構しごいても挙動を乱すようなことはほとんどない。 
    さすがだなあって思わせる走りっぷりをします。 

    そしてポルシェのブレーキは非常に味があっていいです! 
    「こういうブレーキを作ってほしいんだよなあ~」って思わせるブレーキですね。 
    試乗車はノーマルブレーキでしたが、ボクスターにはオプションの「ポルシェ・セラミック・コンポジット・ブレーキ」なるものがあって、
    このオプション、なんと130万もするそうです!!
    素のボクスターは600万ですが、いろいろオプション付けたら1000万級の車になります(笑)

    加速、コーナリング、ブレーキング、安定性、剛性、爽快感、 
    オープンボディのスポーツカーとして必要なレベルはすべて高次元で満たしています。 

    とまあ、基本的に文句のつけるポイントがほとんどない非常に完成度の高い車でした。 

ボクスターについての不満な点

  • 最大の難点。それは 

    「ボクスターは重いこと」 

    あくまで自分基準ですが、重いんですよね(笑) 
    ライトウエイトスポーツの、あのカートのように軽快に走る感覚が、 
    あの車にはないんです。。

    これは、ドイツのその他のオープンカーも基本的に全部同じ。 
    BMWのZ3、Z4、アウディTT,ベンツSLK,SL・・・ 
    みーんな同じ。 

    これがひとつのジャンルなんだろうというのはわかるんだけども・・
    なんかなあ。。 

    ちなみにボクスターは1310キロあります。 

    実はこれはその他ライバル車たちと比べるとやたら軽い。 

    その他の車は1500キロ前後ありますから。 

    このジャンルの中では圧倒的に軽い車なんです。 

    それでもなお、私の感覚の中では重い。。 


    こういう車はもっとこう、ぺらぺらな感じでもいいと思うんですよね。 
    カートみたいな危なっかしい安っぽい雰囲気もありつつ、でも軽快で楽しい、みたいな。 
    ああいう味わいが全然ないんですよ。。 

    「大人が余裕な走りでクルージングを楽しむ系の車」 
    というひとつのジャンルがあるのはわかってるんですが、 
    まあ操って面白いというのとはちょっと違うかな。 。

    ボクスターは、ライトウエイトスポーツというよりは、
    安全で、高品質で、高性能で、スポーティーで、
    あらゆる要素を高次元でバランスした、工業製品として素晴らしく良く出来たオープンカーですね。

ボクスターを運転した後の感想

  • 乗る前と乗った後、クルマのイメージは同じでしたか?
  • 運転後の感想について
  • ボクスター、いい車です。 
    エントリーモデルとはいえポルシェの世界をそれなりに味わえる優等生的な車です。 

    じゃあ自分が欲しいか? 
    と言ったら、自分はいらないかな。

    ボクスターはオープン2シーターとして良く出来すぎてるんですよ。。 

    要は面白くない。 

    こういうオープンスポーツを作るにも、ドイツクオリティで作っちゃうところがね。。 
    真面目というかなんというか。。(笑) 

    そりゃあ車としてはもちろんいいんですけど、 
    出来すぎてるがゆえに官能的じゃないんですよ。
    魂に訴えかけてくる楽しさがない。 
    こう、運転したあと興奮して気持ちいい汗かいて、気持ちが高ぶったまま車を降りる感じ?? 
    あれがない。 
    私は、スポーツカーっていうのはもっと割り切りがあっていいと思っています。 

    ボクスターは、安全性、快適性そっちのけで走行性能最重視で作っているピュアスポーツでもなく、
    チープなライトウエイトスポーツ路線に振ってるわけでもなく、
    結果として、オープン2シーターであるにもかかわらず、
    安全性、快適性、走行性能、高級感、そういったあらゆる要素をすべて高次元で盛り込んだ上質で大人の車になった。
    まあボクスターという車の性質上それでも別にいいんだけども。。


    オープン2シーターの命って、「爽快感」だと思うんですよ。 
    しかもミッドシップなら、操る楽しさをもっともっと味わわせてもいいと思うんです。 
    こう、人がコントロールする範疇を増やすというのかな、 
    人間のダメなところを車がコントロールするのではなく、 
    車のダメな部分を人間がコントロールするような。。 

    ドイツ人にはスーパーセブンだとか、ロータスエリーゼのような 
    「オープン2シーター ライトウエイトスポーツ」はきっと作れないでしょうね(笑) 
    真面目だから、いろんなハードル越えたよく出来た車作っちゃって、結果重くなる。 
    重いというのは、ことスポーツにおいてはほんと致命的ですから。

    重量1tを切るようなライトウエイトスポーツをドイツ車メーカーが作ってくれたらいいんだけどなあ。 

    無理かな(笑)

ボクスター関連ページ

  • ポルシェ
    ボクスター
    2012年06月 発売
     

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この試乗レポート筆者のプロフィール

    • kazu さん

      検定ベストスコア: 70 点

      ランキング: 6位

  • オークション業を営んでいた経験のある40代男性です。 小さい頃から車が大好きで、自身も今まで30台ほど車を乗り継いできました。好きな車は、国籍、ジャンル問わず、「思想のある車」です。作り手の意志、意気込み、プライド、こだわり、文化、そういったものを感じる車は、どんな車でも魅力があります。単に数値的なものや装備などカタログを見ればわかる表層的なことではなく、物理的運動体としての車の良し悪し、さらには文化的な側面も交えて車を評価してみたいと思います。 机上の知識やわずかな試乗だけではわからないこと、身に付きにくい感覚がたくさんあります。今までたくさんの車を経験することで培ってきた自分の感覚、価値基準をもとに、1人でも多くの方の参考になる記事を提供出来たらなと思っています。よろしくお願いいたします。

    投稿者情報

     都道府県:千葉県
     年齢:40代
     性別:男性
     職業:事務系
     家族構成 : 独身

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