狭霧さんのティアナの試乗レポート・評価

投稿日： 2015-09-07 16:08:35.0

日産

ティアナ

2014-02-01 00:00:00.0 発売

このクルマを一言で表すと？

狭霧
ロングドライブに最適なシルキーなセダン

このクルマの評価

総合評価
3.5
外観デザイン
3.4

インテリア
3.4

走りやすさ
4.0

ティアナについてのオススメポイント

中間グレードのＸＬを試乗。といっても高級セダンらしく、グレードの差異はそこまで大きくなく、乗り心地などは同一との事。
まずはデザインだが、少しマッシブな印象となり、先代までの繊細で美しいイメージは無くなった。それは内装も同じで、木目調パネルが非常に美しかった初代・先代とは違い、現代的なインストまわりとなっている。とはいえ、値段相応の高級感は持ち合わせており、チープさは無い。助手席にはオットマンが装備され、パッセンジャーへの気配りが感じられるが、使い勝手は後述。室内空間の広さは、高級セダンとして十分。後席もゆったり座れる上、座り心地も柔らかくで気持ちがいい。トランクスペースも非常に広く、スカイラインを見た後だと余計に広く感じ、同じ高級セダンでも性格の違いが出ている。
そして走りの部分だが、２．５Ｌのエンジンはスムーズに回り、低速域から高速域までゆるやかに加速する。遅いという意味では無く、落ち着いた加速を見せる。もちろん踏み込めばそれなりの加速はするが、やはりラグジュアリーセダンらしい味付けで、切れ味ある加速では無い。この車で特筆すべきなのはスポーティな加速では無く、その乗り心地である。アクセルを踏むと、フワーっと滑るように前に進む。不快な突き上げは無く、かといってずっとフワンフワンしているような上下動も無い。非常にシルキーな乗り味。高速でのクルージング時も段差で足がバタつく事無く、優雅にいなし、すり抜けていく。現行のスカイラインセダンも試乗したが、ロングドライブをするならどちらに乗る？と聞かれれば、私は間違いなくティアナを選ぶ。スカイラインがたまに会う恋人なら、ティアナはずっと一緒にいたい伴侶の様なイメージか。

ティアナについての不満な点

先代にあった、ティアナならではのパールスエードの美しいシートの設定が無い。あの素晴らしい質感とさわり心地が無くなってしまったのは悲しい。助手席のオットマンは見栄えがいいものの、足が上がるのでグローブボックスにつま先が当ってしまい、窮屈な思いをしてしまう。さらにトランクルーム。広いのはいいのだが、何とトランク天板部には生地が張られていないどころかカバーさえ存在しない。ゴチャゴチャした機構が丸見えになっているのだ。しかも油圧ダンパー式では無くヒンジタイプなので、荷物を積みすぎると、閉じた際に荷物がヒンジに潰されてしまう。このクラスではゴルフクラブセットを入れるユーザーが多いことを考えると、このコストダウンはいかがなものか。
あとこれは日産に限ったことではないが、ミドルクラスセダンであるシルフィとここまでデザインを似せるのはどうだろうか・・・。営業マンでさえ、ティアナを見て、シルフィと言ってしまっていたぐらいだ。

ティアナを運転した後の感想

乗る前と乗った後、クルマのイメージは同じでしたか？
運転後の感想について
先代にあった【おもてなし】の精神や、オシャレだったモダンリビングの考え方が薄れてしまったように感じられたのが残念だったが、他の日産セダンラインナップには見られないシルキーな乗り味には、思わずニンマリとしてしまった。週末のロングドライブや県外への出張には是非お供にしたい一台だ。