さろらく。さんのキャスト の試乗レポート・評価

• 

• ダイハツ

  キャスト

  2015-09-01 00:00:00.0 発売

  

   

このクルマを一言で表すと？

• 

  さろらく。

• 見た目&質感でブーンに圧勝。

このクルマの評価

• 総合評価

  2.8

• 外観デザイン

  2.8

  インテリア

  2.9

  走りやすさ

  2.3

キャストについてのオススメポイント

• 今回たまたま同じダイハツの普通車ブーンと同コースを比較試乗できました。軽自動車と普通車という大きな違いがありますが、価格帯的には近く、また発売時期が近かったためか、デザイン的にも結構似ていると思う両車、ダイハツの中でのキャストの立ち位置、トヨタとの関係でのブーン。色々感じることがあって面白かったです。よろしければブーンの方のレポートも見ていただけると全体像が見えると思います。
  
  世間的にはキャストは、スズキのハスラー大ヒットに慌て、そのフォロワーとして生まれた車だと思われています。つまりトヨタのFJクルーザーのフォロワーのフォロワー（笑）。まあステップバンのフォロワーワゴンRのフォロワームーブと同じ、歴史は繰り返すというところでしょうか。
  
  ただ、いつものダイハツ対スズキの図式と同じく、車としての出来はキャストの方がしっかりしていて好感が持てました。スイフトや現行ワゴンRでは劇的に改善されましたが、ハスラーはまだ軽量化が車の質感を損ねてる時代のスズキ。跳ねる乗り心地、うなる鉄板。例の感触です。デザインはハスラーの圧勝だと思いますけど。
  
  話をブーンとの比較に戻します。ブーンと比べてキャストの最大のアドバンテージは、見た目の質感の高さです。ドアを開けて運転席に座ると、目の前に広がる加飾パーツのツヤやメッキの使い方など、最近の軽らしい華やかさを感じさせます。横を見れば普通車よりは窓が近いのですが、そういうサイズ感より見た目の満足感にやられます（笑）。
  
  短い試乗時間であまり車の出来がわからなかったり、そもそも車に対してこだわりが無い人、軽自動車しか乗ってこなかった人には、この見た目の印象は購入へ最大のセールスポイント。これに税金や維持費数字上の「軽自動車有利条件」をセールスさんに洗脳されれば、普通車を買う気にすらならないと思います。

キャストについての不満な点

• 軽自動車のライバルと比較しての出来は十分なキャストも、普通車ブーンと比べると、車としてこんなにも違うのかと驚かされます。特に昨今の軽自動車の出来は格段に良くなって「普通車を買う必要性を感じない、軽自動車だからと我慢する必要は全く無い」なんて自動車評論家の皆さんも持ち上げていただけに、別の意味で目からウロコが落ちた気持ちです。
  
  具体的にいうと、試乗車キャストスポーツはターボ車なのですが、燃費への悪影響を抑える為か、アクセルの踏み始めに壁が感じられるんですよ。「ターボですから踏むと燃費が悪化しますよ、覚悟して踏んでください」なセッティング?スポーツなんですから、そんなことある程度わかって買うんじゃないんですかね?踏んだら自分のイメージ通り加速していくのが「スポーツ」だと思うんですけど。
  
  それとは逆に足回りは突き上げドンドンで、古い「スポーツ」なイメージ。軽自動車の限界なのか、室内の仕上がりに予算を使いすぎたのか、もう少ししなやか方面に振れないのかなと思います。
  
  あとこれは個体差もあるんでしょうけど、ブーンのツートンが塗装なのに対して、キャストはカッティングシート仕上げ。工員の腕前の差か気泡が入っちゃってるのも有りました。ダイハツのセールスさんも気づいていて「お客さんから指摘があったら貼り直します」とのこと。ディーラーで対応する案件なの?（笑）

キャストを運転した後の感想

• 乗る前と乗った後、クルマのイメージは同じでしたか？
• 理由:

  良くなったと言われる軽自動車。個人的にもそう思ってたけど、普通車ブーンと比較試乗したら、車本来の出来ではまだ普通車との差を感じました。
• 運転後の感想について
• 上記「乗る前のイメージと違った」点では、車本来の出来としては普通車ブーンの方が良く感じたと記しましたが、「軽自動車だから出来ない」「軽自動車の技術がそこまで行っていない」のでは無く、これは割り切りなんだろうなと思います。軽自動車のお客さんの使用パターン、趣味嗜好を考えたら、優先順位が普通車とは違うということ。
  
  またダイハツとしての主力は、トヨタに供給することに重きを置かれている普通車ではなく、やはり軽自動車なんです。特にライバルスズキとの厳しい売り上げ競争を勝ち抜くためには、まず安っぽいなんて思われたらダメなのでしょう。そうなるとまず大事なのは見た目です。
  
  一年に何回乗るかわからない高速道路でのしっかり感より、毎日ほんの10分20分満足できる室内空間があれば良い。そんな割り切りの結果がキャストの仕上げなんだと思います。出来ないのではなくやらない。昔とは別の意味での軽自動車の限界を感る試乗でした。

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