さろらく。さんのシルフィ の試乗レポート・評価

• 

• 日産

  シルフィ

  2012-12-01 00:00:00.0 発売

  

   

このクルマを一言で表すと？

• 

  さろらく。

• オヤジセダンに901運動のチグハグ。

このクルマの評価

• 総合評価

  3.2

• 外観デザイン

  3.0

  インテリア

  3.1

  走りやすさ

  3.7

シルフィについてのオススメポイント

• 外観ルックス、街中で運転しているユーザー層とはまったく別に、意外なほど軽快で気持ちがよいセダンです。3ナンバーとなってしまい、そこそこなマスを感じるサイズでありながら、1.8Lエンジンで過不足無く走り、CVTの出足のセッティングがやや過敏に設定されているのと合わせて、スポーティーとすら思わせます。
  
  しかもそのスポーティーさが、ガッチガッチのロールを拒むようなスポーティーではなく、交差点一つクリアする時でも、軽いロールを伴いすっと曲がる気持ちよさ。日産車を乗り継いできた人ならわかる、実に日産らしい乗り味で、901運動復活かと思わせます。
  
  デザイン面では、今まで5ナンバー枠に縛られていたサイド面の抑揚が饒舌になり、フロントフェンダーからリアに流れるキャラクターラインはなかなか豊かです。フロントマスクの印象が似ているので、遠目から見ると一見上級車のティアナと区別が付かない時があったり、若干面白味には欠けるモノの総じてクラスなりの満足感が感じられるデザインだと思います。
  
  内装質感は最上級グレードのGであれば、色々な日産車を乗り継いできたお父さんの、上がりの車として納得できるレベル。慣れ親しんだファブリック&木目調パネルの安心感です（笑）。後席足下空間が広いのは最近の日産車の美点。先代も広大でしたし、コンパクトカーのノートでも、フィットのセンタータンクレイアウトのような飛び道具を使わずに、広々としたスペースを生み出しています。

シルフィについての不満な点

• 最上級グレードのG以外だと、ガクッと内装質感が落ちてしまいます。木目調パネル部分が、銀色吹きっぱなしのエセアルミパネル（=貧乏グレード証明）になり、黒内装と合わせちゃうとなんともビジネスライク。散々会社の奴隷として働いてきたのに、リタイアしてもまだ営業車みたいな内装の車に乗せられるのか？な残念仕様です。
  
  内装デザイン自体も先代はボリューム感あるフロントシート、ラウンドしたリアシート、手提げバッグがおけるセンターコンソールなど、独自性のある一見してシルフィと解る優れたものでしたが、今回はどこかで見たことのある何の特徴もない凡庸なデザインになってしまってます。
  
  さらに装備面でも、お父さんの上がりの車として考えると全く物足りないです。前記したように、納得出来る質感を求めるとGグレード一択となってしまうのですが、この最上級グレードでも最近定番となっている、自動ブレーキやアイドリングストップが装備されていません。250万円弱する車に、軽自動車にもついているモノが付かず、エンジンもただの1.8L4気筒車。これでは頑張って働いてきたお父さんに申し訳ありません。

シルフィを運転した後の感想

• 乗る前と乗った後、クルマのイメージは同じでしたか？
• 理由:

  オヤジセダンかと思いきや、901運動を思いだす軽快な乗り味。
• 運転後の感想について
• 先代までは日本仕様として開発されてきたシルフィですが、昨今の日産の悪癖にならい、この車もグローバルカーと言う名の、海外仕様のお仕着せ車です。先代まであった日本人が好むような繊細さは全くなくなってしまいました。
  
  この為、シルフィが本来設定しているユーザー層と、車の仕上がりとの乖離が生まれてしまいました。世界中では若い世代も乗るであろうセダンなので、前記したように足回りは軽快感有る仕上がり。これは日産のセダンとしては美点になりますが、60代リタイアしたお父さん達には、もう少し安定感有る乗り心地が好まれると思います。特に発進時のCVTのセッティングは疑問で、あの程度なら設定を変えれば良いだけですから、グローバルカーといえども対策可能だと思います。
  
  また質感も、各国で、各価格帯で製造するレベル前提で設計されているため、日本の工場のみで作れるような高度な仕上がりになっていません。国内でライバルとなるであろう、プレミオ/アリオンには圧倒的に負けてしまっています。同じグローバルカーであるマツダのアクセラが、メキシコ、タイ、中国などでも製造する前提で設計されていながら、あれだけの質感を維持しているのを考えると、日産の「こんな程度でよいだろう」と言う見切りを感じてしまいます。
  
  自動ブレーキやアイドリングストップが付かないことも、日産の「こんな程度でよいだろう」という浅さです。いくら車本来の出来は良くても、今の日本で、さらにユーザー層を考えれば「装備」が劣っていれば評価は厳しくならざるを得ません。昔からの日産の良い面と、今の日産の悪い面が混ざった車、それがシルフィという車だと思います。

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  2012-12-01 00:00:00.0 発売

  

   

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