近鉄かとさんのフィエスタ の試乗レポート・評価

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• フォード

  フィエスタ

  2014-02-01 00:00:00.0 発売

  

   

このクルマを一言で表すと？

• 

  近鉄かと

• 3気筒ターボの革命

このクルマの評価

• 総合評価

  4.4

• 外観デザイン

  4.8

  インテリア

  4.3

  走りやすさ

  4.7

フィエスタについてのオススメポイント

• まず最初にことわっておくが、私は「3気筒」と「ターボ」の乗り物が大嫌いである。
  3気筒はヴィッツを筆頭に様々な車種をレンタカーで乗り回して嫌気が差しているし、ターボに関しては現在の私の所有車種であり、いっその事ターボに繋がってるパイプを外してしまおうかと考えたことがあるぐらいだ。
  
  そんな中、家族が勝手にフォードのディーラーに行き、フィエスタをゴリ押しし始めた。
  上記のように、私にとって3気筒とターボのコラボレーションは悪夢であり、スペックを見た時点で却下した車種であった。
  しかし、ディーラーマンの積極な営業によって、モノは試しということで試乗に行き、その日のうちに成約してしまったのであった。その理由を以下に書かせていただく。
  
  何よりも気に入ったのは、そのフットワークの良さであった。
  近年の新型車種の電スロのセッティングはひどいもので、スポーツカーの86ですらダルさを感じるくらいであるし、とても右足とクルマがつながっている感じがしない。
  しかし、フィエスタのセッティングは非常にレスポンス重視であり、それに加えてステアリングのセッティングも絶妙。
  サスは硬いわけではなく粘りがあるといった感じで、信頼感もあるし、ついつい攻めたくなってしまう。
  何よりも驚いたのは、ターボラグの少なさである。この1.0L3気筒ターボエンジンはなんと最大トルクを1400rpmで発揮する。要するに、常にターボが効いていると言っても過言ではない。
  更には、3気筒らしさを感じさせないのである。フォードによると、やはり3気筒には引け目を感じているらしく、ブッシュや防音材など工夫を凝らして3気筒特有の振動とノイズを低減しているということだった。この作戦がなかなか上手く行っていて、実際外から聞くと3気筒っぽい音がするものの、室内ではあまりやかましさや振動は感じない。
  要するに、日本のメーカーは当たり前のように3気筒を使っていて、多少うるさいのは仕方がないと考えているのだろうが、フォードのように工夫すれば3気筒でもマトモなクルマになるということである。
  さて、いくらレスポンスが良くても遅いんじゃ困る、ということであるが、速さも十分なのである。
  我が家では2.0Lの某輸入車に乗っていたが、それを凌ぐ加速で、スペック上は100psであるが実際はそれ以上のパワーを感じる。トルク特性のせいか高回転の伸びはやや弱い。パワー不足を感じる瞬間というのは高速を含めて非常に少ない。
  130キロで回転数は3200回転ぐらい。高速巡航も非常にラクチン。
  
  賛否両論なのはフォード車に必ず真ん中にドカンと装備される「SYNC」というSONY製のオーディオであるが、私はかなり気に入っている。
  ナビが付かなかったり、ENGLISHオンリーだったり、車両管理も含まれているので取り外しができないということが問題点であるが、CD、USB、ラジオ、Bluetoothが付いているのはありがたいし、なんといってもスピーカーは７つ付いているのである。
  音質は申し分ないし、何と言ってもBluetoothは一回使うともう手放せなくなるぐらい便利である。
  本来はボイスコントロールを活用すればスイッチを押さずとも各操作ができるのだが、容赦なく英文で話しかけてくるし、日本人の発音をなかなか理解してくれないため、使用には至らない。
  
  そしてなんといっても、デザインがカッコいいじゃないか。
  アストンマーチンのパクリとよく言われるが、一応合法的にパクっているらしい。
  Bセグメントのクルマとは思えないほどイカツイ顔をしているし、「キネティック・デザイン」と呼ばれる流線的なスタイリングはたまらない。
  
  内装は、ソフトパッドを多用していて、なかなか頑張っている。
  235万のクルマと言われると微妙だが、なかなか個性的なデザインで個人的には嫌いではない。
  赤の間接照明がステキ。

フィエスタについての不満な点

• 高い。
  国産車、いや、輸入車と比べても割高感は否めない。
  いくらいいクルマでも、クルマに見合った価格じゃないと買う気はしないだろう。
  個人的にはこのクルマに235万使ってもいいと思うが、はっきり言ってしまえばゴルフの方が出来はいいと思うし、ルーテシアやプジョー208の安さは魅力である。
  
  燃費が悪い。
  これが大問題なのである。
  エンジン名は「EcoBoost」であり、1.0ターボという典型的なダウンサイジングターボと思わせといて、燃費は本当に悪い。
  レスポンスが良いとか、速いというのはやはり燃費に悪影響を与えてしまうのだろうか。
  どれぐらいかというと、市街地中心だとなんとリッター10キロを割る。
  高速に持って行ってもせいぜい15～18キロぐらいで、ライバル車には大きく劣ってしまう。
  
  純正タイヤがダメ。
  純正タイヤはハンコックS1evoである。
  ハンコックが悪いとは言わないが、結構スポーツ系のタイヤであり、サイドウォールが硬くロードノイズが非常に大きい。もちろんグリップはいいけど、このクルマの用途には合ってない。
  早いところGoodyear LS EXEやECOPIA PZ-Xあたりに変えた方がいいと思う。
  残念なことに、195/45R16というレアなサイズなため、タイヤの銘柄も少ないのである。
  
  リアシートがイマイチ。
  そもそもBセグのクルマなので、2人ないし3人家族向けである。
  リアシートは国産車に比べると狭く、サスが結構跳ねるしロードノイズも大きい。
  
  窓の熱線がジャマ。
  どうやら寒冷地を想定しているようで、純正でフロントガラスに熱線が貼られている。
  これが夜間や陽の当たった時に非常に気になってうっとうしい。
  剥がせないと聞いて、ガッカリしているところである。
  
  ナビが付かない。
  ナビを置くスペースが本当に少ない。
  唯一置けるのはダッシュボード中央であるが、ここに置くとSYNCとバックモニターが見えなくなる。
  我が家の場合、旅行の時だけ中央にナビを設置し、それ以外では外している。
  

フィエスタを運転した後の感想

• 乗る前と乗った後、クルマのイメージは同じでしたか？
• 理由:

  くどいようだが、3気筒ターボだと思ってナメてかかってはいけない。
  走りは本当に楽しくて、「駆け抜ける喜び」を感じることができるし、ヨーロッパフォード製でドイツ生産のためドイツ車っぽい雰囲気。
• 運転後の感想について
• サイズも扱いやすいし、このクルマでどこまでも出かけたくなる。
  マニュアルモードがもう少し賢くて扱いやすければ、峠やサーキットもいけちゃう。
  このレビューを読んで少しでも興味が沸いた方は、騙されたと思って試乗しに行って欲しい。

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