アイランドさんのスカイラインの試乗レポート・評価

投稿日： 2016-01-07 23:28:58.0

日産

スカイライン

2013-11-01 00:00:00.0 発売

このクルマを一言で表すと？

アイランド
高性能マシンであることは認めるが・・・

このクルマの評価

総合評価
4.2
外観デザイン
4.0

インテリア
4.2

走りやすさ
4.3

スカイラインについてのオススメポイント

スカイライン（インフィニティQ50）350ハイブリッドGT-タイプSPに試乗したのでレポートしたいと思います。

とにかく圧倒的な加速力、より適切な表現に変えるなら爆発力には驚きます。
3500CCの排気量を持つNAエンジンを出力を落とさずに載せ、さらに高出力のモーターまで
備えているのですから遅いわけがありません。
試乗コースでアクセルをベタ踏みしたら最初はNAエンジンの滑らかな加速ののち、ある程度
速度が乗ったところでモーターのアシストが加わり猛然とダッシュしました。
モーターのアシストが加わると本当に背中を蹴飛ばされるというか、力士に体当たりされたような爆発的な加速が生まれます。
さらにこの爆発力に負けじとアダプティブステアリングによるクイックなハンドリング、制動力の高いブレーキ、締まった乗り心地を提供しながらも不快な振動をシャットアウトするボディと足まわりとありとあらゆる「高性能」がぶち込まれています。

このインフィニティQ50にとってはそんじょそこらのスポーツカーは「速さ」においては赤子同然でしょう。
このとんでもない速さは確かに魅入られる人も多いと思います。

スカイラインについての不満な点

ハンドリングへのクイックな車両の応答、不快でない乗り心地、圧倒的な加速力、加速力に見劣らぬ制動力、いずれも素晴らしいですが、これらの高性能が「人間の感覚に馴染むように作り込まれたものであるか？」と考えると疑問に思う点がいくつも出てきます。
ハンドリングはちょっとクイックすぎる、加速もNAエンジンのリニアな加速中に急にモーターアシストがドカンと加わるので、速いのはわかるけれどフィーリング面では改善の余地があるのではと思います。
そしてブレーキの制動力の立ち上がり方が急すぎます。これはスポーツモードに限らずどのモードでもそうです。

スカイラインを運転した後の感想

乗る前と乗った後、クルマのイメージは同じでしたか？
理由:

機械的な性能、数値的な性能の高い車が必ずしもいい車ではないと感じさせられたから
運転後の感想について
インフィニティQ50の私の個人的な印象は「マシンとして高性能ではあるけれどフィーリング面ではあまりおすすめはできないかな」というのが正直なところです。
この加速力、制動力、ハンドリング、足まわりのいずれも鼻息を荒くして峠を攻める、サーキットを攻める、そんな走り方をする際には頼もしい味方となってくれることと思います。
でも人はいつでもそんな走り方をするわけではありません。
インフィニティQ50は数値的、機械的には高い性能を持っていますし、それを考えると価格も妥当なところかとは思いますが、人の感覚に寄り添うような形での高性能は持ち合わせていないように思います。

ドカンと加速しギュインと曲がってビタッと止まる、こういう古典的なスポーツカーの味を好む人には間違いなくおすすめできますが、私はプレミアム路線を銘打った車が古典的なスポーツカーのような走らせ方に性能を特化しすぎるのはどうなのだろうと疑問に思ってしまいます。

オーナーになり、慣れてしまえばどうということはないのかもしれませんが、この車の持つ「高性能」は他の高性能セダンが持つような「余裕」として現れるのではなく「さあ、限界まで走ろうぜ」という「誘い」のような形でちらつくため、長く付き合うとなるとちょっと疲れる車かなあというのが正直な感想です。